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ノックスクート、バンコク~日本線を重要視?

記事の概要

オーストラリアの航空系シンクタンクCAPA(Centre for Aviation)は、シンガポール航空子会社のLCC(格安航空会社)スクート(Scoot)と、タイ国際航空が出資するLCCノックエア(Nok Air)が設立した、ノックスクート(Nok Scoot)に関する分析を発表した。

それによると、ノックスクートがシンガポール航空からリースする予定のボーイング777-200型機はLCCにはコスト的に向いておらず、業績に影響を与える可能性があるとしている。

また、日本政府のビザ要件緩和を受けてタイから日本への旅行客が増加傾向にあり、ノックスクートがバンコクから東京、大阪など複数の日本路線を展開する可能性があると指摘している。

元の記事を読む→ 【2013年12月23日:Traicy

日本と東南アジアを結ぶLCC路線

タイの格安航空会社ノックスクートが日本路線を就航させるかもしれないというベリーグッドなニュースです。タイはバックパッカーに人気の旅行先ですので、貧乏旅行客で大盛況となってくれることでしょう。

さて、篠田麻里子様オススメのピーチ・アビエーションなど日本でも知名度が上がってきたLCCですが、東南アジアへの路線はそれほど豊富ではありません。下の地図をご覧ください。赤文字が現在就航中の都市です。

日本と東南アジアを結ぶLCC路線

マニラ、クアラルンプール、シンガポールの3都市だけです。マニラよりはるかに多くの日本人が住んでいるバンコクに今までLCCが就航していなかったとは、よく考えたら変な話ですよね。実は訳がございます。

LCCの4時間圏伝説

LCCのビジネスモデルの1つは機材の高回転運用です。短い距離を行ったり来たりして、1つの機材でできるだけたくさんのお客を運んで運賃をかっぱらおうぜぇ~、ってことです。

そして、その距離の限界は一般に4時間と言われています。ピーチの関空-台北線が3時間、香港線が4時間、まさに教科書通りです。そしてセブパシフィックの関空-マニラ線が4時間ちょっとでして、ギリギリラインなわけです。

先ほどの地図に書いてある時間は成田からの飛行時間です。マニラは無理して飛ばせるとして(実際、来年から成田-マニラが就航します)、他の都市はLCCの基本から考えるとちょっと厳しいということです。

LCCの主流は中型機

もう一つの問題は機材です。ピーチやセブパシフィックなど一般的なLCCは、エアバスA320やボーイングB737といった中型機を使います。機内に通路が1本だけあるタイプの飛行機です。これらの中型機は一般に4時間程度のフライトまでで使います。

それ以上の距離でよく使われるのが、エアバスA330とボーイングB777-200などの大型機です。ピーチもセブパも大型機は持っていません。ですので、ピーチは香港までは飛ばせても、それより遠いところには飛ばせないわけです。

では、成田からクアラルンプールやシンガポールへなんでLCCが飛んでるの?って話なのですが。クアラルンプール線を運航するエアアジアXはそもそも長距離専門のLCCでA330を持っています。また、シンガポールのスクートは保有機材すべてがB777-200です。なので、8時間近くかかる成田へ飛ばせるのです。

今回、ノックスクートが日本路線を検討ということですが、元記事の中にあるようにノックスクートはシンガポール航空からB777-200をリースしてスタートしますので、大型機に適した距離にある日本路線に就航させるのは自然な流れと言えます。

日本のLCCは東南アジアに飛ばせるか?

さて、バンコクにLCCが就航するとなると、残るはホーチミン、ヤンゴン、ジャカルタです。果たして可能性はあるのでしょうか?

まずホーチミンとヤンゴンですが、ベトナムとミャンマーにはLCCがありません。ジャカルタですがインドネシアにはライオン・エアというLCCがあります。しかし機材がすべてB737ですので日本までは飛ばせません。ってことで、向こうから飛んできてもらうのは無理です。

そうなると、こっちから飛んで行くしかありません。日本のLCCにベトナム、ミャンマー、ジャカルタ線を就航させていただくしかないわけであります。それは可能なのか?

まず麻里子様のピーチ。残念ながらピーチは全機材がA320です。アウト! ジェットスター・ジャパンもオールA320です。両社ともに東南アジアには飛ばせません。もはやこれまで。LCCでジャカルタに行くのは無理なのか…

ミニスカCAとGo!

しかーし、奥の手がありました! つい最近こんな写真を鼻の下を伸ばしながら見た記憶はないでしょうか?

スカイマークA330

そうです。日本の元祖LCCスカイマークが来年からA330を導入するのに合わせて、スッチーにお色気悩殺ミニスカコスプレ作戦をさせるわよ~ってニュースがありましたよね。スカイマークが大型機のA330を導入。行けるやないっすか、東南アジアに!

スカイマークのA330は座席の幅が広い上級シートですので、普通のLCCの機材と同じ扱いはできません。しかし、最近、新興LCCに押されっぱなしのスカイマークですので、ここらでビシッと気合いを入れて、A330で東南アジアに路線を広げてもらおうじゃありませんか。

ってことで、来年はミニスカCAと一緒にジャカルタへGo! 非常口そばのスッチー対面シート絶対確保!笑